暴行罪と傷害罪の論点を押さえてみた【刑法各論その3】

暴行罪・傷害罪刑法

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傷害罪も刑法総論でたびたび出てきましたよね。

 

そうね,けど暴行罪の違いがよくわからないわ。

 

法上向
法上向

それは言葉の意味を知らないからだよ。今回も前回に比べて刑法総論よりだが,よく出てくる重要なポイントなので押さえていこうか。

暴行罪傷害罪は刑法総論でもよく出てくる罪ですが,今後みていく強盗等でも構成要件の一つになったりと,刑法各論でも重要なものになっています。

ただ覚えることは少ないので今回もあっさりした記事になると思います。

暴行罪・傷害罪のポイント

まず,保護法益と要件を押さえましょう。この際に言葉の意味についても理解して覚える必要があります。そして,論点である傷害の故意がない場合について押さえていきましょう(といってもこれは論点とさえいえないような当然の問題点です)。

①暴行罪・傷害罪の保護法益を理解する。
②要件,特に言葉の意味を押さえる。
③傷害の故意のない暴行について注意する。
以上みていきましょう。

暴行罪・傷害罪の保護法益

暴行罪傷害罪の保護法益は人の身体です。前回の殺人罪とは異なり,生命以前の身体にまで保護範囲を広げているといえるでしょう。

暴行罪・傷害罪の要件

暴行罪(刑法208条)

要件を知りたい際には,必ず条文を見ます。

(暴行)
第二百八条 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

書き方が少し変なのは,暴行罪が傷害罪の章にまとめて組み込まれているためです。要件としては

①暴行②故意

です。

この故意については刑法208条の規定ぶりから傷害の故意で傷害の結果が生じなかった場合も含むといえるでしょう。もちろん暴行の故意でもよいです。

問題は暴行とは何かです。

暴行とは不法な有形力の行使
これは覚えてしまいましょう。とはいえ,有形力の行使広く考えられています。たとえば音や薬,病原菌といったものを介しても有形力の行使に含まれるとされているのです。

傷害罪(刑法204条)

(傷害)
第二百四条 人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
この要件は以下のとおりです。
①傷害②故意

ここで不法な有形力の行使にとどまる場合=暴行にとどまる場合には刑法208条より暴行罪になるんでした。

そのため,じゃあ傷害のレベルはどんなもんなんじゃい!という疑問が生じるわけです。

傷害の言葉の意味も覚えてしまいましょう。

傷害とは生理機能を害すること

人の生理機能を害した時点で「アウト~」となって傷害に認定されます。たとえば傷がついていたらその時点で暴行ではなく傷害となるのです。

なお,やや細かいですが,傷害は暴行とは異なり無形によるものでもオッケーとされています。ここで「え,暴行は有形力に限って,傷害は無形でも有形でもいいのに,傷害の方が罪が重いの!?」となってしまうと疑問の森に迷い込んでしまうのでよくありません。

重要なのは「傷害は何であっても生理機能を害した時点で認定される」ということです。生理機能を害しているかどうか,にだけ着目しているので,それが何によって発生したのか(有形か無形か)はどうでもいいというわけです。

一方で,暴行は何も結果が発生しませんので(発生していたら傷害になってしまう),行為形態に着目するしかなく,不法な有形力の行使という限定をかけているだけなのです。

暴行の故意しかない場合の傷害

さて,暴行の故意(生理的機能は侵害させない程度に有形力を行使する意図)があったが,結果として傷害(生理的機能侵害)が発生した場合,どう処理されるか考えてみましょう。

そんなの簡単だよ。暴行の故意で傷害の結果なんだから抽象的事実の錯誤で,両罪とも重なり合いがあるから,暴行既遂罪が成立するんじゃないかな(刑法28条2項)。

 

たしかに,普通に考えればそうなんだけど,なんか違和感があるのよね。暴行罪っていわば傷害未遂罪のことでしょ。つまり,傷害罪の一類型のような気がするんですよね。何か普通の抽象的事実の錯誤と違うような……。

法上向
法上向

いい指摘だね。暴行罪はあくまで傷害罪の一形態なんだ。ということで,傷害罪は暴行罪の結果的加重犯とも言われているんだよ。

判例通説は傷害罪は暴行罪の結果的加重犯でもあるといわれています。つまり,暴行罪の故意しかない場合でも傷害について因果関係が認められれば傷害罪が成立するというわけです。

なお,学説では加重結果に過失を要求するのが通説ですが,ここでは判例にのっとり,過失はいらず,因果関係さえあればいいという立場で書いていきます。

なるほど,傷害罪は暴行の結果的加重犯ともいえるから,暴行の故意さえあれば傷害罪の罪に問えるのか。

法上向
法上向

ただし,傷害の故意で傷害の結果が発生する通常ルートもあるということを忘れないようにな。

注意が必要なのは,傷害罪は暴行罪の結果的加重犯としての側面に加えて,普通の傷害の故意で傷害の結果が発生する場合も当然に含んでいるという点です。暴行罪の結果的加重犯として捉える側面は傷害罪が成立する一部のルートに過ぎないという点は意識しておきましょう。

まとめ

以上,暴行罪傷害罪についてみてきました。傷害罪のルートがやや複雑なのでここでまとめてみようと思います。

①傷害の故意で生理機能の侵害(傷害)に至らない場合には暴行罪が成立する。
②傷害の故意で生理機能の侵害(傷害)が発生すれば傷害罪が成立する。
③暴行の故意で生理機能の侵害(傷害)が発生すれば傷害罪が成立する(結果的加重犯)。
読んでくださってありがとうございました。ではまた~。

参考文献

刑法各論は刑法総論に引き続き,基本刑法をおすすめします。事例問題を示しながら解説されているので,初心者から司法試験対策まで幅広く対応できる作りになっていると思います。

 

 

 

 

 

 

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