よくわかる!訴因変更の可否をわかりやすく【刑事訴訟法その12】

訴因変更の可否刑事訴訟法

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訴因変更の可否についての議論について教えてください。

 

法上向
法上向

訴因変更の可否は,訴因変更の要否と比べると考え方は単純だね。ポイントは「公訴事実の同一性」だけだよ。

訴因変更の可否は訴因変更の要否と同様,訴訟法でよく出てくる論点です。考え方はシンプルですが,学説が複数あったり,対立があったりと初学者にはわかりにくい一面を持っています。ここでは訴因変更の可否について通説・判例に絞って解説していこうと思います。

訴因変更の可否のポイント

訴因変更の要否と可否をごっちゃに考えてしまうことが多いと思います。そのため,まずはこの違いについて確認しましょう。その次に,訴因変更の可否の考え方を見ていくことにします。

①訴因変更の要否と可否の違いについて押さえる。
②訴因変更の可否の考え方を理解する。

訴因変更の要否と可否の違い

訴因変更の要否のところでも確認しましたが,大事な部分なのでコピペしますね(笑)。

訴因変更の要否訴因変更の可否の論点,考え方を学んだときに最初にぶつかるのが,訴因変更の可否と要否の違いです。これを理解していないと,考え方を押さえていたとしても,本来要否の検討をすべき場面で可否の検討をしたり,可否の検討をすべき場面で要否の検討をしてしまったりと悲惨なことになります。

そのため,最初に適用場面を押さえておきましょう

違いは,文字通り,訴因変更の要否とは,訴因変更が必要かどうかの問題であり,訴因変更の可否とは,訴因変更ができるかどうかの問題であるというものです。

んなことわかっとんのじゃー!

という批判が飛んできそうですね。それではわかりやすい考え方を教えます。

訴因変更の要否は,裁判所側が訴因変更を思った場面
訴因変更の可否は,検察官側が訴因変更を思った場面
まず大前提として,検察官側が適切な訴因だと思って提出しています。そのため,審理過程によって裁判所側がこのままの訴因で大丈夫か?と疑問を持った場合,訴因変更が必要かどうか考えるのは裁判所側です

そして,訴因変更したいなー,と検察側が思った場合は訴因変更の可否の問題です。裁判所が訴因変更を許可するかどうかを考えることになります。

つまり,誰が訴因変更をしたい,訴因変更をすべきか,と思ったかが重要なのです。

今回は訴因変更の可否の問題なので,検察官側が訴因変更について思った場合について以下検討していきます。
訴因変更の要否について詳しく知りたい人は以下の記事を参考にしてください。

訴因変更の可否の考え方

刑事訴訟法312条1項を見よ

訴因変更の可否については,なんと!条文があります!刑事訴訟法312条1項を見てみましょう。

第三百十二条 裁判所は、検察官の請求があるときは、公訴事実の同一性を害しない限度において、起訴状に記載された訴因又は罰条の追加、撤回又は変更を許さなければならない。

この条文からわかるのは,公訴事実の同一性を害さなければ訴因変更ができるということです。つまり,訴因変更の可否の問題では,公訴事実の同一性かどうかが問題になるということですね。

なお,公訴事実の同一性がない場合は別の訴因を別訴提起すべきことになります。訴因変更できないから別の訴因の起訴ができなくなるわけではないので注意が必要です。

あくまで手間を省いて訴因変更できるかどうか(当初の訴因の審理・訴訟のまま新たな訴因で進められるかどうか)を問題にしているだけなのです。

公訴事実の同一性は基本的事実関係の同一性

公訴事実の同一性をどう判断するかについて学説ではいろいろなことが言われていますが,判例は基本的事実関係の同一性であるとしています。より具体的に言うと行為や法益侵害結果の共通性などです。イメージとしては個人的には抽象的事実の錯誤の重なり合い判断に近いように感じています。

また,判例では非両立性(旧訴因と新訴因が両立するかどうか)を補充的に考えるものもあります。旧訴因の事実があった場合に新訴因の事実が成立するかどうかです。もし成立するのであれば別事件と考えられるため,別に新訴因で別訴提起しても,訴因変更しなくてもいいわけです。

さらに学説では単一性(実体法上一罪ではないかどうか)を検討するべきというものもあります。これはもし実体法上一罪であれば訴因変更ができるというものです(そうしないと別訴提起は基本的にできないため)。しかしこれは重複起訴禁止を考えるというかたちで公訴事実の同一性の観点から考えることができるため,単一性の考慮は必要ないという学説もあります。

法上向
法上向

とまぁ,いろいろみてきたけれど,結局公訴事実の両立性は,行為や法益侵害の共通性を主として非両立性を補充的に考えながら,基本的事実の同一性があるかどうかを考えればいいことになるね。

 

まとめ

さて,この分量からも訴因変更の可否の考え方は単純だということがわかってもらえたのではないでしょうか。ただし,あてはめ等に若干の難しさがあると思います。

公訴事実の同一性という一つのキーワードをもとに考えていくようにしましょう!

読んでくださってありがとうございました。ではまた~。

参考文献

刑事訴訟法の参考文献として「事例演習刑事訴訟法」をお勧めします。はじめての方にとっては解説が大変難しい問題集ですが,非常に勉強になるものです。また,冒頭にあります答案作成の方法について書かれた部分については,すべての法律について共通するものなのでぜひ読んでほしいです。自分も勉強したての頃にこれを読んでいれば……と公開しております。

最初は学説の部分はすっとばして問題の解答解説の部分だけを読めばわかりやすいと思います。冒頭の答案の書き方の部分だけでも読む価値はあるのでぜひ参考にしてみてください。

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