証明力を争うための証拠(328条)を簡単にわかりやすく理解【刑事訴訟法その19】

刑事訴訟法

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刑事訴訟法326条の使い方がよくわからないんですけど!

法上向
法上向

弾劾証拠のことだね!

伝聞例外も学習していい機会だから、弾劾証拠について論点を理解していこうか!

伝聞証拠伝聞例外を学習してきました。

>>>伝聞証拠についてわかりやすく解説【刑事訴訟法その15】

>>>伝聞例外(321条)についてわかりやすく解説【刑事訴訟法その16】
>>>伝聞例外(322条)についてわかりやすく解説【刑事訴訟法その17】
>>>伝聞例外(324条)についてわかりやすく解説【刑事訴訟法その18】

伝聞証拠で最後に学習するのは、証明力を争うための証拠(刑事訴訟法328条)になります。

証明力を争うための証拠(刑事訴訟法328条)の論点は少ないので、論点と判例・通説を覚えれば大丈夫でしょう。

証明力を争うための証拠(刑事訴訟法328条)のポイント

まずは条文である刑事訴訟法328条を確認して、条文の立ち位置を確認する必要があります。

次に刑事訴訟法328条の論点である、誰の供述が証明力を争うための証拠になるかを検討していいます。

最後に、弾劾証拠は厳格な証明が必要かどうかも考える必要があります。

①刑事訴訟法328条の立ち位置を理解する

②誰の供述が問題になるか、理由から理解する

③厳格な証明が必要であるかを理解する

それでは見ていきましょう。

刑事訴訟法328条とは確認規定

条文の確認

まずは刑事訴訟法328条を確認してみましょう。

第三百二十八条 第三百二十一条乃至第三百二十四条の規定により証拠とすることができない書面又は供述であつても、公判準備又は公判期日における被告人、証人その他の者の供述の証明力を争うためには、これを証拠とすることができる。

供述の証明力を争うための証拠については、伝聞例外が認められない伝聞証拠でも、証拠とすることができるというわけです。

すなわち、刑事訴訟法328条は証明力を争うための証拠について規定したものであると考えるわけです。

存在自体が証拠になる

証明力を争うための証拠は、矛盾証拠(弾劾証拠)と考えるとわかりやすいです。

たとえばAさんが「Bを殺すのを見た」という内容のメモを残していたとしましょう。

このメモをB殺人の犯人性のために用いる場合には、メモは伝聞証拠となり、原則としてAの証人尋問が必要となります。

しかしながら、Aが証人尋問で「Bを殺すのを見なかった」と証言したとします。

このときに「Bを殺すのを見た」という内容のメモを証拠として提出するとどうなりますか?

Aは証言とメモとで矛盾した内容を話していますよね?

この場合、メモは内容自体ではなく、矛盾したメモという「存在自体」の証拠として使われているわけです。

矛盾した内容である証拠の「存在自体」によってAの証言の証明力を争っているわけですね。

刑事訴訟法328条は証明力を争うための証拠の規定でした。

しかし証明力を争うため証拠というのは、矛盾していることを示して証明力を下げる効果をもつため、その証拠の内容自体についての証拠ではなく「存在自体」を証拠としているにすぎません。

すなわち、刑事訴訟法328条は、そもそも伝聞証拠としては扱われない証拠=存在自体を証拠とする場合は伝聞証拠になりませんよ!っていうのを示した確認規定にすぎないと考えるのです。

刑事訴訟法328条はそもそも伝聞例外となる、存在自体を証拠とする場合の規定であり、確認規定にすぎない

こう考えるところから、刑事訴訟法328条はスタートします。

自己矛盾供述しか刑事訴訟法328条の適用はない

先ほど刑事訴訟法328条を提出するのは、矛盾をつく場合だと説明しました。

ここでさらに詳しく付け加えると、

自己矛盾供述

の場合しか刑事訴訟法328条の適用(存在自体を証拠として証明力を争うこと)はできないとされています。

Aさんの「Bが殺すのを見た」という内容のメモがあった場合を考えてみましょう。

こののち、Aさんが「Bを殺すのを見なかった」と証言した場合、当該メモを提出すれば、

以前は「Bが殺すのを見た」とメモしていて、今回は「Bが殺すのを見なかった」と証言しているから、Aは矛盾供述をしていることになり、Aの証言の証明力が低下するわけです。

では、Cさんが「Bを殺すのを見なかった」と証言した場合、当該メモを刑事訴訟328条の弾劾証拠として提出することはできるのでしょうか?

たしかにCは「Bを殺すのを見なかった」と証言しているのに対し、Aのメモでは「Bを殺すのを見た」という矛盾した内容となっているため、証明力を争うための証拠として刑事訴訟法328条が使えると思うかもしれません。

しかしもう少し待ってほしいのです。

自己矛盾供述の場合には自分で矛盾した内容を話しているので、証明力を低下させるものとして「証拠の存在自体」を証拠として使うことができます。

一方、Cの証言VS Aのメモの場合、Aのメモが提出させたことで、Cの証言の証明力は上がりますか?下がりますか?

え?Cの証言はAのメモの内容と矛盾するから、Cの証言の証明力は下がるんじゃないんですか?

法上向
法上向

ということは、君はCの証言よりAのメモの方が信用できると考えているわけだな。

あれ?たしかにそうなりますよね?けど、Aのメモの方がCの証言より信用できるっていうのはわからないですよね…。メモの信用力を確かめるには内容自体を審理しないといけません。

Cの証言とAのメモが矛盾した内容だからといって、Cの証言の証明力が下がるわけではありません。AのメモがCの証言より信用できるとされてはじめて、AのメモがCの証言の証明力を下げるものとして機能するわけです。

となると、Cの証言の証明力を下げるために、Aのメモを提出する場合には、Aのメモの存在だけでは足らず、

AのメモはCの証言より信用できる内容ですよ!

というAのメモの内容に踏み込んで審理する必要があります。すなわち、証拠の存在自体ではなく、証拠の内容に踏み込む=伝聞証拠となってしまうのです。

仮にこの場合にも、刑事訴訟法328条の適用を認めてしまうと、伝聞法則(刑事訴訟法320条)の潜脱になってしまいます。

これを、

伝聞法則が形骸化する

と表現するわけですね。

自己矛盾供述ではなく、別人の不一致供述であっても刑事訴訟法328条の適用があると考えると、裁判所は当該証拠の内容は他者の供述より信用できるという心証を持たなければならず、伝聞法則が形骸化(伝聞法則の趣旨が没却)してしまう。

という感じで答案に表現するとよいでしょう。

ポイントは暗記よりも理解です。

他者との矛盾供述の場合には、どうしても、「こっちの方が信用できる」ということが必要になってしまうため、証拠の存在自体ではなく、証拠の内容に踏み込まざるをえず、伝聞法則の適用がないとした刑事訴訟法328条を使えない

というわけですね。

刑事訴訟法328条は厳格な証明が必要

最後の論点として証明力を争うための証拠は厳格な証明(署名又は押印)が必要かどうか、というものがあります。

結論から言えば、

必要です。

刑事訴訟法328条は存在自体を証拠としているだけですが、犯罪立証に関連するものではあります。そのため、しっかりと厳格な証明が必要となります。

すなわち、供述録取書の場合には、捜査官による録取過程を経るため、供述者の署名又は押印が必ず必要になるのです(供述書の場合には本人が書いているので、署名又は押印は必要ありません)。

供述録取書には、供述者の署名又は押印が必要

という点は暗記でもいいのでしっかり覚えておきましょうね。

まとめ

以上、証明力を争うための証拠についてみてきました。

論点を3つ思い出せますでしょうか。

①刑事訴訟法328条は確認規定

②証明力を争うための証拠として刑事訴訟法328条の適用は、自己矛盾供述に限られる

③証明力を争うための証拠(刑事訴訟法328条)は厳格な証明が必要なので、供述録取書の場合には供述者の署名又は押印が必要

しっかり押さえていきましょうね。

読んでくださってありがとうございました。ではまた~

参考文献

刑事訴訟法の参考文献としておすすめするのが、基本刑事訴訟法Ⅱです(基本刑事訴訟法Ⅰは手続法ですので刑事訴訟実務基礎に使うものです。一般的な刑事訴訟法を勉強する際にはⅡの方を選ぶよう注意が必要です)。

最近登場したものですので、有名ではないかもしれませんが、今後はこれが刑事訴訟法のバイブルに必ずなっていきます。

具体的な事例に沿って刑事訴訟法を理解できる作りになっているので、初学者にとっても理解しやすくなっています。

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