改正対応!多数当事者の債権債務関係をわかりやすく!【債権総論その10】

多数当事者の債権債務民法

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法上向
法上向

今回は連来債務や連帯債権を基本に、複数人が債権や債務を持っている場合の処理方法を見ていこう。

連帯債務ってよく聞きますよね。されって全員が責任を負うみたいな…。

法上向
法上向

だいたいイメージはそんなところだね。ただし、債務を支払った債務者は他の債務者に対して「求償権」をもつんだ。詳しく見ていこう。

複数人が債権を持っていたり、債務を持っている場合の処理の方法について今回は学んでいきます。改正により非常に勉強しやすくなった分野なので、条文に沿って確認していきましょう。

多数当事者の債権債務関係のポイント

まず押さえるべきは、分割債権・分割債務か不可分債権かどうかです。そのうえで、分割債権を中心に説明していきます。

その後、連帯債権・連帯債務について確認をし、併せて求償権を説明していきます。特に求償権は難しいので注意してください!

なお、今回は不可分債権は取り扱いません。試験に被とんどでないうえに連帯債務の規定が準用されているからです(民法430条)。よって不可分債権・不可分債務は連帯債権・連帯債務についてしっかり確認することが重要になり、連帯債務・連帯債権のことがわかっていれば自然と理解できるからです。

①分割債権・分割債務について知る。
②連帯債権・連帯債務について理解する。
③求償権を知る。

それでは見ていきましょう。

分割債権・分割債務とは

まず、多数当事者の債権債務関係には可分債権・可分債務不可分債権・不可分債務があることを理解してください。

基本的には可分債権・可分債務です。

さらに、可分債権・可分債務の中でも連帯債権・連帯債務があることを理解しましょう。この連帯債権・連帯債務が非常に重要になってきます。

とはいっても、とりあえずはまず原則としての分割債権・分割債務について押さえていきます

分割債権・分割債務は非常に簡単です。完全に分割されていると捉えればよいことになります。

条文は民法427条になります。

(分割債権及び分割債務)
第四百二十七条 数人の債権者又は債務者がある場合において、別段の意思表示がないときは、各債権者又は各債務者は、それぞれ等しい割合で権利を有し、又は義務を負う

たとえば、3人で300万円の債権を負った場合や300万円の債務を負った場合を考えてみましょう。

このように可分債権・可分債務の場合は原則としてそれぞれの債権者・債務者に分割されます。

完全に分割されると考えてください。そのため、連帯債務のように債権者に請求されたら300万円全部弁済しないといけない、ということはありません

分割債権では、各債権者は自己の債権だけを単独で行使できることになり、
分割債務では、各債務者は自己の債務だけを弁済すればよいことになります

分割債権者・分割債務者1人に生じた事由は他の債権者・債務者に影響を与えることはありませんし、求償関係も生じません

連帯債権・連帯債務

連帯債権・連帯債務の条文は民法432条・436条

可分の債権・債務であっても、当事者間での合意があれば、連帯債権・連帯債務とすることが可能です。

もちろん、可分債権・可分債務の場合は、分割債権・分割債務(割合に応じて完全独立)が原則ですので、連帯債権・連帯債務にしたい場合には、当事者の意思表示が必要である点は注意してください

さらに、対外的には、連帯債権者・連帯債務者は単独で全体の債権や債務を負います。条文は連帯債権については民法432条、連帯債務については民法436条です。

(連帯債権者による履行の請求等)
第四百三十二条 債権の目的がその性質上可分である場合において、法令の規定又は当事者の意思表示によって数人が連帯して債権を有するときは、各債権者は、全ての債権者のために全部又は一部の履行を請求することができ、債務者は、全ての債権者のために各債権者に対して履行をすることができる

(連帯債務者に対する履行の請求)
第四百三十六条 債務の目的がその性質上可分である場合において、法令の規定又は当事者の意思表示によって数人が連帯して債務を負担するときは、債権者は、その連帯債務者の一人に対し、又は同時に若しくは順次に全ての連帯債務者に対し、全部又は一部の履行を請求することができる

さきほどの例に沿って考えてみましょう。

連帯債権・連帯債務

つまり、連帯になると、1人が全体の履行請求をしたり、1人が全体の履行請求を受けたりするというわけです。

連帯債権者の1人について生じた事由の効力

さて、次に連帯債権者の1人について生じた事由がどう影響を及ぼすのかについてみていきます。ちなみに最初でやった分割債権の場合は、他の債権者は何ら影響を受けません。

ところが、連帯債権の場合には連帯債権者の事情が他の債権者に影響を及ぼすことがあります

相対的効力の原則(民法435条の2)

まずは原則を押さえましょう。相対的効力の原則があります。相対的効力は難しそうな文言ですが、ようは「他の債権者は影響を受けない」ということです。

このことは民法435条の2に規定されています。

(相対的効力の原則)
第四百三十五条の二 第四百三十二条から前条までに規定する場合を除き、連帯債権者の一人の行為又は一人について生じた事由は、他の連帯債権者に対してその効力を生じない。ただし、他の連帯債権者の一人及び債務者が別段の意思を表示したときは、当該他の連帯債権者に対する効力は、その意思に従う。

ただし書はあまり気にする必要ないでしょう。任意規定というだけです。

ここで気にしてほしいのは、「第432条から前条までに規定する場合を除き」とされている点です。つまり例外的に、ある連帯債権者に生じた事由が他の連帯債権者に影響を及ぼす場合が民法432条から民法435条までに規定されているというわけです。

絶対的効力(民法432条~民法435条)

まずは、ざっと条文を一読してみましょう。

連帯債権者による履行の請求等)
第四百三十二条 債権の目的がその性質上可分である場合において、法令の規定又は当事者の意思表示によって数人が連帯して債権を有するときは、各債権者は、全ての債権者のために全部又は一部の履行を請求することができ、債務者は、全ての債権者のために各債権者に対して履行をすることができる。
連帯債権者の一人との間の更改又は免除
第四百三十三条 連帯債権者の一人と債務者との間に更改又は免除があったときは、その連帯債権者がその権利を失わなければ分与されるべき利益に係る部分については、他の連帯債権者は、履行を請求することができない。
連帯債権者の一人との間の相殺
第四百三十四条 債務者が連帯債権者の一人に対して債権を有する場合において、その債務者が相殺を援用したときは、その相殺は、他の連帯債権者に対しても、その効力を生ずる。
連帯債権者の一人との間の混同
第四百三十五条 連帯債権者の一人と債務者との間に混同があったときは、債務者は、弁済をしたものとみなす。

連帯債権の大きな特徴として民法432条はすでに説明しています。

そのほか、更改や免除、相殺、混同は絶対的効力、つまりある連帯債権者に生じた事由が他の連帯債権者に影響を及ぼすものであるということです。さらに民法432条より、弁済にも絶対的効力があるといわれています。

更改や混同はあまり出題されませんが、免除や相殺、弁済が絶対的効力であるという点をしっかり押さえるようにしてください

連帯債務者の1人について生じた事由の効力

次に連帯債務者の1人について生じた事由がどう影響を及ぼすのかについてみていきます。ちなみに最初でやった分割債務の場合は、他の債務者は何ら影響を受けません。

ところが、連帯債務の場合には連帯債務者の事情が他の債務者に影響を及ぼすことがあります。連帯債権者の場合と同様に考えられるというわけです。

相対的効力の原則(民法441条)

連帯債権と同じように、まずは原則を押さえましょう。相対的効力の原則があります。相対的効力は難しそうな文言ですが、ようは「他の債権者は影響を受けない」ということです。

このことは民法441条に規定されています。

(相対的効力の原則)
第四百四十一条 第四百三十八条、第四百三十九条第一項及び前条に規定する場合を除き、連帯債務者の一人について生じた事由は、他の連帯債務者に対してその効力を生じない。ただし、債権者及び他の連帯債務者の一人が別段の意思を表示したときは、当該他の連帯債務者に対する効力は、その意思に従う。

ただし書はあまり気にする必要ないでしょう。任意規定というだけです。

ここで気にしてほしいのは、「第438条、第439条1項及び前条までに規定する場合を除き」とされている点です。つまり例外的に、ある連帯債権者に生じた事由が他の連帯債権者に影響を及ぼす場合が民法438条、民法439条1項、民法440条に規定されているというわけです。

絶対的効力(民法438条、439条1項、440条)

(連帯債務者の一人との間の更改
第四百三十八条 連帯債務者の一人と債権者との間に更改があったときは、債権は、全ての連帯債務者の利益のために消滅する。
(連帯債務者の一人による相殺等)
第四百三十九条 連帯債務者の一人が債権者に対して債権を有する場合において、その連帯債務者が相殺を援用したときは、債権は、全ての連帯債務者の利益のために消滅する。
2 前項の債権を有する連帯債務者が相殺を援用しない間は、その連帯債務者の負担部分の限度において、他の連帯債務者は、債権者に対して債務の履行を拒むことができる。
(連帯債務者の一人との間の混同
第四百四十条 連帯債務者の一人と債権者との間に混同があったときは、その連帯債務者は、弁済をしたものとみなす。

更改、相殺、混同の場合には絶対的効力が生じるというわけですね。

ここで先ほどと異なり履行請求が含まれないのか、疑問に思った方もいると思います。

先ほどは連帯債権者の権利であったために履行の請求も絶対的効力が発生しました。ところが連帯債務者の場合には履行の請求ではなく、履行の請求があった後の弁済をするだけです。

そして民法436条より債権者が連帯債務者1人に対して履行の請求をすることは認められています。

(連帯債務者に対する履行の請求)
第四百三十六条 債務の目的がその性質上可分である場合において、法令の規定又は当事者の意思表示によって数人が連帯して債務を負担するときは、債権者は、その連帯債務者の一人に対し、又は同時に若しくは順次に全ての連帯債務者に対し、全部又は一部の履行を請求することができる。

以上のことを考えると、明確な規定はありませんが、弁済についても絶対的効力が認められているといえます。

連帯債権者において履行の請求に絶対的効力が認められていることと同様に連帯債務者も考えることができるというわけです。

よって、連帯債務の場合に絶対的効力が発生するのは、弁済、更改、相殺、混同ということになります

求償権を、連帯債務のときには考える

連帯債務では求償権が発生することがある(民法442条1項)

連帯債務において、一人で弁済などをして、全体の債務を消滅させたら、求償権が発生します。

求償権とは、他の債権者に対して、各自の負担部分に応じた額を請求することができる権利です。

このことは民法442条1項に規定されています。

(連帯債務者間の求償権)
第四百四十二条 連帯債務者の一人が弁済をし、その他自己の財産をもって共同の免責を得たときは、その連帯債務者は、その免責を得た額が自己の負担部分を超えるかどうかにかかわらず、他の連帯債務者に対し、その免責を得るために支出した財産の額(その財産の額が共同の免責を得た額を超える場合にあっては、その免責を得た額)のうち各自の負担部分に応じた額の求償権を有する
2 前項の規定による求償は、弁済その他免責があった日以後の法定利息及び避けることができなかった費用その他の損害の賠償を包含する。

ポイントは、連帯債務では債権者は1人に対して集中攻撃できるが、連帯債務者間では均等に債務を負担しているため、後で連帯債務者間で調整がなされるという点です。

さらに、注意点は、全額負担していなくても、一部弁済でも求償権は発生するという点です。

とりあえず、連帯債務者間では内部で調整が図られるという点を理解しておきましょう。

わかりやすくいえば、「俺が代わりに払ってやったんだから、本来お前が払うべき分はくれ!」ということです。

たとえば、先ほどの例で3人で300万円の債務を連帯債務として負担したとします。連帯債務者の1人が債権者に300万円の弁済をしました。

求償権

すると、上図のように、他の債務者に100万円ずつ求償権をもつわけです。各自の負担額は300万円÷連帯債務者3人なので1人あたり100万円だからですね。

もちろん、ではこの弁済が90万円であったとしましょう。すると求償関係はどうなるでしょうか。

先ほども言ったように、連帯債務者が全額返さないと求償権が生じないわけではありません。一部弁済でも、各自の負担割合に応じて求償権が発生します。

求償権一部弁済

このように、各自の負担額(90万円の場合は1人30万円)に応じて求償権が行使できるわけです。

事前の通知と事後の通知

求償権を考えるうえで難しいポイントとして、事前の通知事後の通知という問題があります。

まず大前提として、連帯債務者1人が払う場合には、ほかの連帯債務者に「事前の通知」と「事後の通知」をする必要があるじゃないと求償権が制限されるかもしれない、という点に注意しましょう。

ほかの連帯債務者は相殺権など消滅事由を持っているかもしれません。それにもかかわらず、勝手に連帯債務者の1人が払ってしまうと、相殺権を持っていた連帯債務者が怒ります!

なんで弁済前に声かけてくれないんだよ!言ってくれれば相殺権があることを教えたのに!そうすれば全体の債務がなくなったのに!(相殺は絶対的効力)」というわけです。

そのために、連帯債務者が何かしようとする場合には「これから弁済する」という事前の通知と、「債権者に弁済したよ」という事後の通知が必要になるわけです。

では事前の通知事後の通知を怠った場合はどうなるのでしょうか。詳しく見てみましょう。

事前の通知を怠った場合(民法443条1項)

(通知を怠った連帯債務者の求償の制限)
第四百四十三条 他の連帯債務者があることを知りながら、連帯債務者の一人が共同の免責を得ることを他の連帯債務者に通知しないで弁済をし、その他自己の財産をもって共同の免責を得た場合において、他の連帯債務者は、債権者に対抗することができる事由を有していたときは、その負担部分について、その事由をもってその免責を得た連帯債務者に対抗することができる。この場合において、相殺をもってその免責を得た連帯債務者に対抗したときは、その連帯債務者は、債権者に対し、相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求することができる。

まず、事前の通知を怠って弁済等をしてしまった連帯債務者は求償権が制限されます。どう制限されるかというと、ほかの連帯債務者の持っていた対抗事由(相殺や混同など)をほかの債務者に対抗できるというわけです。

つまり1人で弁済した連帯債務者(通知を怠った連帯債務者)が不利益を被るわけですね。

なお、ほかの連帯債務者が相殺権を持っていた場合は、特別に、通知を怠った連帯債務者は、債権者に対して求償できなかった分の債権を得ることになります。この点は少し難しいのでよくわからなければ飛ばしてもかまわないでしょう。一応、以下の図でも説明しておきます。

300万円の連帯債務で、他の債権者が50万円の相殺権を持っていた例です。

事前通知を怠った場合の連帯債務の相殺の考え方
事前通知を怠った場合の相殺の対抗

事後の通知を怠った場合(民法443条2項)

(通知を怠った連帯債務者の求償の制限)
第四百四十三条 
2 弁済をし、その他自己の財産をもって共同の免責を得た連帯債務者が、他の連帯債務者があることを知りながらその免責を得たことを他の連帯債務者に通知することを怠ったため、他の連帯債務者が善意で弁済その他自己の財産をもって免責を得るための行為をしたときは、当該他の連帯債務者は、その免責を得るための行為を有効であったものとみなすことができる

この場合、事後の通知を怠ったために、ほかの連帯債務者も弁済してしまったという例です。

求償が制限されますので、求償権の請求を受けた連帯債務者は「自分の弁済の方が有効だよ」と主張して求償を拒むことができます

すると、最初の連帯債務者は債権者に支払っていたとしても「弁済」の効果は認められないため、債権者に不当利得返還請求をしていくことになるのです。

この点も少し難しいので、難しければさっと飛ばして、ある程度民法債権総論を理解した段階で戻ってきて復習してみましょう。

まとめ

以上多数当事者の債権債務関係についてみてきました。

特に求償権の事前通知や事後通知を怠った場合の処理は難しいですが、他の部分は条文を読めば難なく理解できると思います。

わからないところはとりあえずさっと飛ばして、債権総論を一通り学習した後に振り返ってみると理解できることもあるはずです。

気負わず頑張っていきましょう。

最後に連帯債権と連帯債務の絶対的効力と相対的効力を復習としてまとめてみますね。

連帯債権
原則は、相対的効力
例外は、履行の請求、弁済、更改、免除、相殺、混同

連帯債務
原則は、相対的効力
例外は、弁済、相殺、更改、混同

読んでくださってありがとうございました。ではまた~。

参考文献

債権総論では初学者にもおすすめのとてもわかりやすい基本書があります。有斐閣ストゥディアの債権総論です。

改正民法に完全対応ですし、事例や図解、章ごとのまとめもあるのでとてもわかりやすい基本書になっています。ぜひ読んでみてください。

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