改正完全対応!よくわかる!消滅時効の考え方【民法その10】

消滅時効民法

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法上向
法上向

非常に強力な主張は何かわかるかい?

強力な主張?錯誤とか詐欺の取消しとかですか?

法上向
法上向

消滅時効だよ!消滅時効は訴訟において一発逆転の主張なんだ。

消滅時効は問題として出てくることはあまりありません。というのも消滅時効が成立するなら他の問題は検討することなく決着がついてしまうため,問題として機能しないからです。しかし,逆に言えば消滅時効は法律を学んだ者なら知っておくべき強力な手段ということになります。

今回はその消滅時効についてみていきます。取得時効については前回の記事をご確認ください。

それでは見ていきましょう。

消滅時効のポイント

消滅時効は非常に強力ですが,非常に単純です。トレーディングカードだとすごいカードということになります。さくっと復習していきましょう。

①時効の根拠を理解する。
②消滅時効の考え方について理解する。
それでは行きましょう。

時効の根拠

時効の根拠については取得時効のところで確認しました。消滅時効も時効として同様の根拠が妥当するので復習してみましょう。

覚えておきたい3つの趣旨

時効には大きく分けて取得時効消滅時効の2種類のものがありますが,まず法律を学んだ者であれば時効の根拠くらいは(だけでも)言えるようになっておきたいところですよね。

問題としては出題されにくい部分だと思いますが,なぜ時効制度があるのか理解するのは非常に大事だと思います。

時効の趣旨については以下の3つがよく言われます。

①社会の安定性
②権利の上に眠る者は保護しない
③立証困難
それぞれみていきましょう。

社会の安定性

時効というのは何年も所有しているからその人の物にしていいよー(取得時効),とか何年も権利行使しないから権利消滅するよー(消滅時効)とかいうものです。

なぜこのような権利があるのか?と聞かれて最初に思いつくのがコレだと思います。

つまり,何年もその状態であるからもうその状態を権利として認めていいんじゃね?ということです。何年もそのままでオッケーとされているならあえてその関係をほじくり返していろいろ探らなくていいでしょということですね。

みなさんもパンドラの箱を見つけてもそっとしておきましょう。触らぬ神に祟りなしですから(笑)。

パンドラの箱

権利の上に眠る者は保護しない

時効というのは上記で述べたように何年も触られていない関係があるからもうそのままでよくない,という考えがバックにあります。さらに過激化して,何年も黙ってたのに,急に権利を主張してくるのはおかしくね,との考えにも発展するのです。これが権利の上に眠る者=何年も黙っていた者は保護しなくていいでしょ,という論理です。

権利の上に眠る者

立証の困難

最後に訴訟法上の問題点を理解しておきましょう。時効がないと,何年たっても法律関係を争うことができます。

たとえば,権利の取得から100年たったものでも争おうと思えば争うことができることになるのです。100年前の証拠なんて残っていると思いますか?当時の人はおろか証明書等が残っているかどうかすら怪しいですよね。このような立証の困難さを回避するために,時効制度があるとの説明をすることができます

立証困難

消滅時効の考え方

民法166条を確認

民法改正で大きく変化した部分なので注意しましょう!

(債権等の消滅時効)
第百六十六条 債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
一 債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき
二 権利を行使することができる時から十年間行使しないとき
2 債権又は所有権以外の財産権は、権利を行使することができる時から二十年間行使しないときは、時効によって消滅する。

2項の債権又は所有権以外の財産権とは地上権とかになりあまり出てきません。そのため,1項を理解しておけば大丈夫でしょう。

取得時効よりもかなり条文が単純なので,それほど要件にこだわらなくても論点がわかると思います

権利を行使することができることを知った時

これは文字通り権利があること(行使できること)を知った時という意味です。よって,知ってたのに5年間行使しない場合は時効により権利は消滅するということです。

この場合は5年間経てばその権利は消滅することになります

権利を行使することができる時

これは基本的に文字通りの意味で,権利を行使することに障害がない時からという意味です。これは時効制度の根拠を考えればお分かりだと思います。権利を行使できる時からでないと,そもそもまだ権利行使できないのだから,権利の上に眠っていないことになりますからね。

この場合は10年間経てば権利は消滅することになります

ほとんどの場合は権利を行使することができる時がいつからかはわかりやすいと思います。条件(~の場合は権利発動,消滅など)や期限(~になったら権利発動,消滅など)が付された契約の場合はその条件や期限が成就・到来した後からが権利を行使できる時になる感じです。

忘れてはならない民法145条

終わったーと思いませんでしたか?

時効なのでその効果を主張する際には取得時効と同じく時効を援用する必要があるのです(民法145条)。

(時効の援用)
第百四十五条 時効は、当事者(消滅時効にあっては、保証人、物上保証人、第三取得者その他権利の消滅について正当な利益を有する者を含む。)が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができない。

まとめ

以上見てきたように消滅時効は非非常に強力であるにもかかわらず非常に単純な条文なので理解がしやすいものです。いわばチートアイテムというわけですね。

知れば5年,知らなければ10年で消滅すると言っているだけです。

しかしその強さゆえに問題としてはあまり出てきません(消滅時効を問題にすると他の論点を検討しなくても無双できるため)。強すぎたが故呼ばれないかわいそうなやつなんです。

とはいえ,実務では非常に有効なやつなのでかわいがってあげましょう(笑)。

読んでくださってありがとうございました。ではまた~。

参考文献

記事の目的上,とても簡潔にまとめているので,もっと理解を深めたい方は以下の基本書を参考にしてください。改正民法対応でわかりやすいのでおすすめです。

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