質権はこれだけ押さえれば大丈夫!わかりやすく説明【物権法その14】

民法

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法上向
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質権についてみていこうか。

質権って、試験に出ないですよね?

法上向
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そうだね。質権はほとんど試験に出ないぞ!

ただ担保物権を学ぶ者として、質権は大事だ。

だから、今回は条文をもとに簡単に質権の全体像をつかんでいこう!

質権は試験にほとんど出ません

しかしながら、物権法、さらには担保物権法の重要な1分野です。そのため、はじめての物権法シリーズでも質権について学習していこうと思います。

質権の条文をもとに、質権の全体像を簡単に学習していこうと思います。

質権のポイント

質権のポイントは動産質不動産質権利質に分かれていることです。

ただし、基本的に不動産質は実務で使われていないうえ、動産質も使いにくいので、権利質の勉強が主体になっていきます。

権利質は債権を担保にとれる非常に有益な手段です。それ以外で債権を担保にとるためには譲渡担保くらいしかありませんので。

とりあえず、今回は質権全体像をざっくり理解するということで、動産質不動産質権利質の3つに分けて簡単に押さえていきましょう!

①動産質について押さえる。
②不動産質について押さえる。
③権利質について押さえる。

それでは見ていきましょう!

動産質

質権共通の条文(民法342条・民法343条・民法344条等)

まずは質権共通の条文の確認です。民法342条以下をみてみましょう。

(質権の内容)
第三百四十二条 質権者は、その債権の担保として債務者又は第三者から受け取った物を占有し、かつ、その物について他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
(質権の目的)
第三百四十三条 質権は、譲り渡すことができない物をその目的とすることができない。
(質権の設定)
第三百四十四条 質権の設定は、債権者にその目的物を引き渡すことによって、その効力を生ずる。

質権は、被担保債権の回収を図るために、債権者に物や権利を引き渡します。もし質権設定者が弁済をしなければ、その物を処分したり、留置したりすることができるというわけです。

そのため、譲り渡すことができる物でなければなりません(民法343条)。そしてその物を、引き渡すことが必要になります(民法344条)。

イメージしやすい動産質

そして、動産質は我々が一般的にイメージする質権です。

お金を借りる際に、自身のもつダイヤを債権者に預ける

というようなパターンが動産質になります。

すなわち、債権者(質権者)に動産を占有させることが動産質なのです。

さて、質権設定者が被担保債権の弁済期までに弁済しなければ、質権者は、占有している動産に対してある手段を用いることができます。

それが、民法354条です。

(動産質権の実行)
第三百五十四条 動産質権者は、その債権の弁済を受けないときは、正当な理由がある場合に限り、鑑定人の評価に従い質物をもって直ちに弁済に充てることを裁判所に請求することができる。この場合において、動産質権者は、あらかじめ、その請求をする旨を債務者に通知しなければならない。

質流れの例外ともいわれるものです。

もともと弁済期前は質流れ(質権の処分が禁止されていました民法349条です。

(契約による質物の処分の禁止)
第三百四十九条 質権設定者は、設定行為又は債務の弁済期前の契約において、質権者に弁済として質物の所有権を取得させ、その他法律に定める方法によらないで質物を処分させることを約することができない。

ところが、弁済期後の場合、動産質であれば、正当な理由があれば、裁判所に対して質物(動産)の処分をお願いすることができるというわけです。その処分によって生じる金銭で被担保債権を回収するというわけですね。

不動産質

不動産質は使用収益可能(民法356条)

不動産質は実務ではほとんど使われないため、試験にも出ません。ただし短答プロパーとしてはよく狙われるので簡単に確認しておきましょう。

不動産質は基本的に動産質と同様ですが、動産質との大きな違いとして、

使用収益ができる

ということが挙げられます。

民法356条をみてみましょう。

(不動産質権者による使用及び収益)
第三百五十六条 不動産質権者は、質権の目的である不動産の用法に従い、その使用及び収益をすることができる。

すなわち、下の図のようになるというわけです。


権利質

債権についての質権設定

質権と聞くと、一般的には動産質をイメージしてしまいがちですが、実務で最も使われているのが権利質、それも債権質です。

債権を質権として担保にとるということですね。

具体的には民法362条以下に規定されています。

(権利質の目的等)
第三百六十二条 質権は、財産権をその目的とすることができる。
2 前項の質権については、この節に定めるもののほか、その性質に反しない限り、前三節(総則、動産質及び不動産質)の規定を準用する。

債権を担保にとる手段はなかなかなく、明文の規定がある手段としては債権質くらいしかありません(明文の規定がないものとしては譲渡担保があります)。

そのため、債権質は非常に重要な手段となっています。

ただし、考え方自体は動産質とほぼ変わりません。

質権設定者のもつ債権を、質権者のために引き渡すというわけです。

権利質の対抗要件は債権譲渡と同様

あれ?これってどこかで見たような図だね。

法上向
法上向

お!鋭いな!

実は債権譲渡と同じような感じになっているんだ。だから対抗要件としては債権譲渡の対抗要件が必要になるぞ。

上図を見て、債権譲渡を思い出した方は鋭いです。

そうなんです!

質権設定者の債権を質権者の被担保債権の担保として引き渡す行為はいわば債権譲渡のように見ることができます。

そのため、債権質の対抗要件は、債権譲渡の際の対抗要件の規定が準用されています民法364条をみてみましょう。

(債権を目的とする質権の対抗要件)
第三百六十四条 債権を目的とする質権の設定(現に発生していない債権を目的とするものを含む。)は、第四百六十七条の規定に従い、第三債務者にその質権の設定を通知し、又は第三債務者がこれを承諾しなければ、これをもって第三債務者その他の第三者に対抗することができない。

>>>債権譲渡について詳しい解説【債権総論その12】

権利質の回収方法は直接取立てが可能

最後に権利質の特徴として、被担保債権の回収方法があります。

権利質は質権者が直接取り立てることができるとされているのです。民法366条をみてみましょう。

(質権者による債権の取立て等)
第三百六十六条 質権者は、質権の目的である債権を直接に取り立てることができる
2 債権の目的物が金銭であるときは、質権者は、自己の債権額に対応する部分に限り、これを取り立てることができる。
3 前項の債権の弁済期が質権者の債権の弁済期前に到来したときは、質権者は、第三債務者にその弁済をすべき金額を供託させることができる。この場合において、質権は、その供託金について存在する。
4 債権の目的物が金銭でないときは、質権者は、弁済として受けた物について質権を有する。

特に民法366条1項と民法366条2項が重要です。

基本的に担保になる債権は金銭債権なので、質権者は、被担保債権の債権額に限り、質権の対象とされた債権をとり立てることができます!

まとめ

以上、簡単にですが質権についてみてきました。

質権は試験にほとんど出ない、短答プロパーの分野です。しかし担保物権をしっかり学習したといえるためには押さえるべき1つの分野ですので、全体像だけはとらえておきましょう!

読んでくださってありがとうございました。ではまた~。

参考文献

担保物権についてわかりやすい解説は、はじめての法でおなじみストゥディアシリーズです。

これを超える担保物権の基本書はないと思います。三色刷り+事例問題が豊富なので、楽しく担保物権を学習できるはずです。

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