司法制度改革により法科大学院等のシステムができましたが,今現在も法曹コースや在学中受験,予備試験の一般教養科目廃止といった変更が予定されています。
しかし,そのような改革をまとめている記事があまりないなーと思ったので,今回は現在予定されている改革についてまとめていけたらいいなーと思います。
勉強系の記事ではないので気楽に見てください(笑)。ただの雑談です!
法曹養成制度改革の要点は3つ
現在,法曹養成制度の改革として進められているのは大きくわけて3つです。
②法曹コーススタート
③2022年から予備試験論述で一般教養科目廃止,選択科目導入
です。
それぞれ順を追ってみていきましょう!
現行制度の確認
現在,法曹(裁判官,弁護士,検察官)になるには,基本的に司法試験に合格しなければなりません。その司法試験受験資格として①法科大学院を卒業する②司法試験予備試験に合格する,の2つのルートがあります。下の図を参考にしてください。
つまり,①の法科大学院ルートで法曹になりたいと思ったら大学(4年)+法科大学院(既習で2年)+司法試験受験年(1年)+司法研修(1年)の約8年ほどかかるわけです。
長期時間がかかる等の問題点を受けて以下のような改革が検討されています。
2023年から法科大学院在学中に受験可能に
現在のシステムでは,法科大学院既習2年,未修3年で法科大学院を卒業し,その次の年に司法試験を受験することになっています。しかし,2023年からは法科大学院既習2年次,未修3年次の在学中に司法試験を受けれるようになるのです。法科大学院の最終学年で司法試験が受けれるようになるということですね。
法曹コースは2020年から大学院と合わせて5年で試験へ
さらに法曹コースを大学で創設することが計画されており,現在進行形で改革が進められています。
なかなか難しい制度ですが,簡単にいうと大学(3年)+法科大学院(2年),かつ在学中に受験できる制度を作ることを目的としたものですね。下の資料が参考になるので掲載しておきます。
見たところ協定先の法曹コースの場合は大学とその大学が設置している法科大学院になることが多いみたいです。
もしこのような法曹コースを利用したいのであれば,学部の成績もある程度確保しておく必要があるわけです。また法科大学院入試を受けなくても法科大学院に入学できる点が一番の特徴といえそうです。
司法試験の日程変更
在学中受験ができるようになる関係で、司法試験の日程が変化します。
2023年の司法試験は
7月中旬ごろ
の開催です。
なお、司法試験委員会会議によれば4月1日に修習開始にする可能性が高いと考えられます。
予備試験の変更点
予備試験論述で一般教養科目廃止,選択科目導入
さて,司法試験を受けるには①法科大学院ルートの他に②予備試験ルートがあることは説明しましたが,この予備試験ルートでも若干の修正があります。
現行の予備試験は,短答試験→論述試験→口述試験を経て合格が決まります。この論述試験の問題は,公法系(憲法,行政法)+民事系(民法,民事訴訟法,商法)+刑事系(刑法,刑事訴訟法)+法律実務科目(民事,刑事)一般教養科目でした。しかし,2022年からは一般教養科目が廃止され,代わりに選択科目が入るというわけです。
今まであまり勉強しなくてもよかった一般教養科目から,がっつり法律である選択科目の試験へと変更されるので予備試験の負担は増すと考えられます。
2023年(令和5年)予備試験の日程も変更
また、予備試験は司法試験の在学受験が可能となる関係で2023年からの予備試験の日程が変更されます。
7月中旬に短答式試験→9月上旬に論文式試験→令和6年(2024年)1月に口述試験→2月に最終合格発表
になるようです。
2023年がやばい!受験可能層増加か?
これまでの受験者層
これまでの受験者層は①大学院ルートとして大学4年+未修3年,大学4年+既習2年②予備試験ルートが基本としてありました。さらに,最近は大学3年で早期卒業制度や飛び入学制度を利用して法科大学院に入学するケースもあります。よってこの4ルートが司法試験の受験者層です。このほか司法試験浪人の方も含まれます。
2023年の受験者層
ここで
2023年の司法試験はやばいのではないか?
ということに気が付いた人は察しがいいです。
下の図をご覧ください!
やばさがわかりますか?
この図からわかる通り,2023年は戦国時代です!今までのルートに加えて,法曹コースや在学中受験世代が一気に2023年の司法試験を受験します。つまり主要なルートが4から7に増えるのです!
おそらく司法試験合格者の人数が上がると思いますが,やばそうですね……。
個人的には司法試験合格者数はそれなりに増加するので難易度の点で大きな問題はないと思っていますが、法律事務所の就活がやばそうです(どれだけの事務所が合格者増に対応できるのか、そしてわざわざ77期だけ人数が多いという特殊事情を考慮するのかわかりませんので……)。
ちなみに,予備試験ルートの場合も2022年に論述試験内容・日程が変わり,2023年に司法試験を受けることになるので,ある意味2023年司法試験はすごい世代の集まりということになりそうですね!
まとめ
法曹養成制度の主な改革は3つでした。
②法曹コーススタート
③2022年から予備試験論述で一般教養科目廃止,選択科目導入+日程の変更(2月合格)
これらの改革の影響をダイレクトに受けるのが2023年司法試験受験生世代です!改革が現在進行中でどうなるか合格者数等どうなるかわかりませんが,すごい戦国時代になりそうです!今後の動向に目を向けていたいと思います。
読んでくださってありがとうございました。ではまた~。