【騙されるな】法科大学院・司法試験のデータをちゃんと解説してみた!

司法試験合格率 雑談

法曹になりたい!と思ったときに,どこの大学に進学するか,どこの法科大学院を選ぶかは結構重要ですよね。司法試験合格者数とか合格率とか,司法試験に関するデータを見て決めることも多いと思います。

しかし,そのデータをちゃんと読むことは難しいです。特に情報の少ない高校生にとってはかなり難関です。私自身もこのデータをちゃんと読めていませんでした(後悔はしていませんが)。

この記事を読んでいる皆さんには,情報を正しく読めなかったがための不利益を受けてほしくないため,ここで私自身がすでに持っている情報を公開?しようと思います!参考になれば幸いです!ただし,あくまでこれは私自身の見解に基づくものであり,私自身が正しく情報を読めていない可能性がある点があることはご了承ください。

【注意】この記事はあくまで現行制度に沿って解説しています。現在,法曹養成制度の改革が進められているので注意してください。この改革については以下の記事をご覧ください。

騙されやすい司法試験合格のデータ

司法試験合格率

まず司法試験合格率に注目が行くと思います。司法試験合格率,2019年度は29.1%でした。

これを見て約30パーセントでなかなか大変だなーと思われた方もいると思います。しかし,法曹を目指す人の多くは法科大学院の既習コースから(つまり大学の法学部から)法律を学んでいるわけです。そのため既習の司法試験合格率を見る必要があります。(逆にいえば,未修コースで臨みたいと考えるかたは未修コースの合格率を参考にする必要があることになります)

すると,2019年度の既習の合格率は40%です。意外と多くないですか?半分よりちょっと少ないくらいは合格するというわけです。

さらに年々司法試験受験生の合格率は下がってきているのでそれが合格率にどう反映されていくかこれからも見ものだと思います。

司法試験合格者ランキング

司法試験の合格率のデータとして以下のものがよく使われます。司法試験合格者数ランキングですね。

〈2019年度司法試験合格者数ランキング〉
1位 予備試験合格者 315人
2位 慶應義塾大法科大学院 152人
3位 東京大学法科大学院 134人
4位 京都大学法科大学院 126人
5位 中央大学法科大学院 109人
6位 早稲田大学法科大学院 106人
7位 一橋大学法科大学院 67人
8位 大阪大学法科大学院 46人
9位 神戸大学法科大学院 44人
10位 明治大学法科大学院 26人

ここで最初の読み間違いがあります。この数字はあくまで合格者数なのであって合格率ではないのです。

法科大学院はそもそもとっている定員が様々です。したがって合格率が低い大学でも多くの定員がいればそれなりに合格者が出ることになります。

とはいえ,今日の法科大学院では合格者が出ること自体も珍しい?ことなので合格者がある程度いるっという点では他の大学院より優れていることを示す指標になるといえます。

司法試験合格率ランキング

私はだまされないぞ!司法試験合格率が大事なんて知っているよ!
なるほど,では次に司法試験合格率を見てみましょう。

〈2019年度司法試験合格率ランキング〉
1位 予備試験合格者 81.82%
2位 京都大学法科大学院 62.69%
3位 一橋大学法科大学院 59.82%
4位 東京大学法科大学院 56.30%
5位 慶應義塾大学法科大学院 50.67%
6位 愛知学院大学法科大学院 42.86%
7位 早稲田大学法科大学院 42.06%
8位 大阪大学法科大学院 41.07%
9位 東北大学法科大学院 38.46%
10位 名古屋大学法科大学院 37.31%
予備試験合格者が一番合格率が高いです。大手予備校が予備試験押しなのはこのためですね。これは予備試験の合格率がそもそも低いので,その予備試験に合格した人はそりゃ司法試験も合格するよね,という感じですね。

続いて京都大学法科大学院一橋大学法科大学院東京大学法科大学院,……と続きます。この3校は毎年順位の変動があるとはいえ基本的には上位3位をキープしていると思います。私立では慶應大学法科大学院早稲田大学法科大学院と続きますね。

愛知学院大学法科大学院合格者数が3名であるから合格率が高いわけであり,司法試験合格者数と比べながらデータを理解する必要があります。

ここで新たな読み間違いが生まれます。ということは,法科大学院ルートで司法試験を目指しても6割程度しか合格しないのか,という誤解です。

前述のとおり,基本的に法曹を目指して進学する場合は既習コース(大学の4年間+法科大学院の2年間)を目指すことになります。ではこの合格率も既習での合格率を見なければなりません(逆に言うと未修ルートで目指す場合は未修ルートの合格率を見る必要があることになります)。

〈2019年度司法試験合格率(既習ルート)ランキング〉
1位 予備試験 81.8%(315/385)
2位 東京大学法科大学院  77.6%
3位 京都大学法科大学院  77.2%
4位 一橋大学法科大学院  74.3%
5位 慶應義塾法科大学院  58.7%
6位 早稲田大学法科大学院  55.0%
7位 大阪大学法科大学院  51.9%
8位 名古屋大学法科大学院  50.0%
9位 九州大学法科大学院 47.2%
10位 東北大学法科大学院 44.7%
全然変わりますよね。
大手予備校は予備試験からの合格率が高いために予備試験ルートを推しますが,実際は既習コースであれば東京大学法科大学院京都大学法科大学院一橋大学法科大学院との間にそれほど大きな差がないことがわかります。
なおこの3校は上述のとおり,年度によって順位は変わる点は注意してください。

まとめ

以上,データを見てきました。ここでまとめてみようと思います。あくまで未修ルートを目指す方は未修を対象としたデータを見る必要があり,ここでは未修以外(既習ルート)を中心に取り上げてきているという点に注意してください。

法曹を目指すにあたっての大学進学,法科大学進学の際には自身が未修ルートを目指すのか,既習ルートを目指すのかに応じたデータを見なければならない。

〈既習ルートの場合〉(2019年度参照)
①全体の司法試験合格率は約40%
②予備試験ルートからは約80%。上位法科大学院(東大,京大,一橋)は約70%~80%近くである。

関東と関西の予備試験に対する意識の差もポイント

京都大学法科大学院は例年司法試験合格率,合格者数ともに高く,既習ルートであっても東京大学法科大学院を抜かして1位になることもあります。そのため,京都大学法科大学院に進学することが一番の法曹になる近道であると単純に考えてしまう人が多いようです。

しかし私は,予備試験ルートと法科大学院ルートの意識の差も考慮して上記データを検討する必要があると考えています。

決定的なのは,関西はあまり予備試験を重視していないということです。つまり法科大学院へ進学し司法試験を受けるのが主流だと考えられている風潮があるということです。そのため,優秀な人材であっても予備試験を受けず(あるいは予備試験に合格しても)法科大学院を卒業して受験することが多いと思われます。

これに対して,関東はかなり予備試験が重視されています。そのため関東の大学で法曹を目指すとなれば司法試験予備校に通い予備試験合格を目指すのが普通です(いわゆるダブルスクール)。法科大学院は大学4年間で予備試験に合格できなければ進学する保険のようなものとして機能することになることが多いと思います。さらに法科大学院中も予備試験を受験し,合格すれば中退する(いわゆる予備抜け)が発生しやすいです。

これらの風潮によしあしはないと思っていますが,知らないことは損です。
大学や法科大学院の進学を考える一つの資料になればいいなーと思います。

まとめ

いかがだったでしょうか。大学進学は情報戦ともいわれますが,なかなか自分にあった情報を自力で見つけるのは難しいと思います。特に法曹のためにどこの大学を目指すが検討している高校生にとってはそれが顕著です。

また,司法試験合格率を解説しているのは予備校が多いのでどうしても予備試験を推しがちです(そのため既習での法科大学院合格率を掲げて説明する予備校は少ないと感じます)。

私は,いろいろなデータや説明の仕方があっていいと思いますし,どのルートが優れているかというのは人それぞれだと考えています。
大事なのは,意思決定をする際の参考となる自身に関わるあらゆるデータを知っておくことです。あとから隠されていた情報を知って後悔してほしくない!そのためこのような記事を書かせていただきました。

大学選び,法科大学院選びに役立つようなら幸いです。

読んでくださってありがとうございました。ではまた~。

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