楽勝!行政法の処分性を考えるポイントは4つだけ!【行政法その2】

行政法

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法上向

行政法は判例が大事だが,どの問題が来ても対応できるためには理論が大事だ。理論ならざるもの判例を勉強すべからずだぞ!

たしかに,判例を解説した参考書は多いですが,理論を重視した本はあまりない気がしますね。

行政法・憲法の公法系は判例が大事です。しかし,その反面,初学者によって判例はわかりにくく勉強への意欲をそいでしまします。ここでは通常の行政法学習とは異なり,理論重視で解説していこうと思います!理論がわかればいろいろな問題に対処でき,よりよく行政法を勉強できると思うからです。

それではやっていきましょう!

処分性のポイント

行政法でまず重要になるのが訴訟要件です。これがなければ訴訟できないよ,っていう観点ですね。今回はその中でもっとも重要な処分性について検討してみます。

処分性は訴訟要件の中で一番難解だと思います。できるだけわかりやすく,簡潔に記述できるよう頑張りたいと思います!ポイントは以下の通りです。

①処分性の判例の定義を覚える!
②処分性の考慮要素について理解する。
③判例でどのように変化されてきたかを読み取る。
理論中心といいましたが,行政法の性質上判例には言及しなければなりません。ここでは判例からどのように理論づけをし,どのように考えていけばいいかをみていくことにします

定義を覚えよ!

行政の行為について訴訟で争いたい場合は行政事件訴訟を起こすのが基本です。そこでまず問題になるのが処分性ですね。簡単にいうと,行政の行為が訴訟で争うべきものかどうか,を考えるということです。処分性がなければ訴訟ができないことになります。

ここで判例はなんと!処分性が何かについて言ってくれているのです。ありがたいですね(笑)。下界の我々がどれだけ説明しても裁判所の神からのお言葉には逆らえないので,まずは判例を見てみましょう。

公権力の主体たる国または公共団体が行う行為のうち、その行為によつて、直接国民の権利義務を形成しまたはその範囲を確定することが法律上認められているもの
(最判昭和39年10月29日:東京都ごみ焼却場事件)

何言っているわかりませんね。しかし,これは覚えましょう!意味が分からなくても覚えるのです!
すべてはこの文言から行政法は始まっているといっても過言ではありません!

行政法における処分性は「公権力の主体たる国または公共団体が行う行為のうち、その行為によって、直接国民の権利義務を形成しまたはその範囲を確定することが法律上認められているもの」である。

定義を4つに分けてそれぞれを検討せよ!

上記の定義を4つにわけてみます。学説によっては5つだったり2つだったり,とさまざまですが,この記事では4つに分けてみますね。

公権力の主体たる国または公共団体が行う行為のうち、その行為によって直接国民の権利義務を形成しまたはその範囲を確定することが法律上認められているもの
この色を付けた4つの部分について特に着目します。
公権力の主体たる=公権力性
その行為によって=成熟性
直接国民の=外部性
その範囲を確定=法的効果

公権力性,成熟性,外部性,法的効果の4つが処分性の考慮要素ということになります。これらを理解することで処分性を理解することができます。さっそく見ていきます。

公権力性より契約はダメ

公権力性は原則としてよく出てくる処分(行政手続法に規定されている許認可,不利益処分のこと)であると考えておけばよいでしょう。契約には公権力性はありません。

許認可処分とは,行政庁に申請してそれに対してオッケーといわれたりダメと言われたりする行為のことです。
不利益処分とは,行政庁が強制的に義務を課したり権利を制限したりする行為のことです。
契約に公権力性はありません。こちらを覚えていた方がいいと思います。

比較的わかりやすいと思います。ただし例外として行政不服申立てが法律上認められている場合や法的仕組みとして位置づけられている場合は処分性ありとなりますが,深入りはしません!

外部性より内部の行為はダメ

次に,外部性について考えてみます。外部性は文字通り,外部に対しての行為ではないとダメという意味です。行政機関内部での行為は処分性に原則として該当しないことになります。進撃の巨人でいうところのウォールマリアを破壊しないといけないというわけです(何言ってるかわからん笑)。

しかし,これには裏ルートがあります。内部の行為でも処分性が認められる方法があるということです。4人の四天王を倒さないといけないのに,壁で波乗りを使うようなもんです(何言ってるかわからん笑)。

その裏ルートとは,法的効果を都合よく変えてしまうこと。ここは難しいので深入りしませんが,内部的行為であっても法的効果として国民の権利義務への影響があることがいえれば処分性が認められるということです。

法的効果は柔軟に

内部的な行為の別の問題点として法的効果があります。法的効果がなければ処分性は認められません。行為による効果が法規に基づくものかを検討するのです。

外部性との区別として,こちらはあくまでも行政VS私人の行為であると考えましょう。

しかしこれは裏ルートがめっちゃ活用されています。よく使われるのが法的仕組み全体からみるという方法です。これも深入りはしませんが,上記裏ルートとにて法的効果を広く捉えて処分性を認めるというものです。

木を見て森を見ず状態になるなということですね。意外なところに法的効果が発生している場合があります。

成熟性は基本から

一番難しいのが成熟性です。成熟性とは一般的抽象的中間的な行為ではないこと,です。よく後ろに処分がこないことといわれたりしますが,個人的には前者の捉え方の方がわかりやすい気がします。

こちらも裏ルートがあり,一見一般的抽象的中間的に見えるような場合でも,法的仕組み自体から法的地位を捉えなおすことで成熟性が満たされることがあります

まとめ

理論として説明するために判例等を省いて深入りせずに説明してきました。

①公権力性…契約に公権力性はなし
②外部性…内部的行為に外部性なし
③法的効果…事実行為に法的効果なし
④成熟性…一般抽象的中間的行為に成熟性なし
以上4つの視点にはそれぞれ例外もあり,例外が問題で問われたりするので実際に判例をみて考えてみましょう!

判例検討も理論から考える

判例をみるときも上記の理論をもとに見た方がいいです。今回は理論を理解することを重視しているので取り上げる判例は一つだけにしてみたいと思います!

食品衛生法輸入事件

魚を輸入しようとしたところ,検疫所長から食品衛生法違反通知が出ました。これにより検疫所長からの届出済証がもらえなくなったので税関長へ輸入申請ができず,おそらく輸入不可処分がきそう,という場面を考えてください。(最判平成16年4月26日判決参照)

あなたは輸入業者です。「検疫所長,あんた何やってんねん!輸入できんくなるやろうがい!違反通知取り消せや!」ということで検疫所長の食品衛生法違反通知に対して取消訴訟を起こしたいと思ったとしましょう。

行政事件なので処分性の検討が必要です。さて,処分性の定義を覚えていますか?

公権力の主体たる国または公共団体が行う行為のうち、その行為によつて、直接国民の権利義務を形成しまたはその範囲を確定することが法律上認められているもの
これですね。ここから4つ検討ポイントが導き出されます。①公権力性②成熟性③外部性④法的効果でしたね。

一つ一つ見ていきましょう。
①について,通知は契約ではなく許認可の処分とされるので公権力性はあるといえるでしょう。
③について,内部的行為ではなく,行政から私人へ出されたものなので外部性はあります。
④について,食品衛生法違反通知は法律に規定されたものですので,法的効果あります。

問題は②の成熟性です。食品衛生法の中だけでみれば,この通知は一般的抽象的中間的な処分といえます。ただ単に違反ですよーと言われただけであり,もし嫌なら別の直接的な処分で争えばよいといえそうだからです。

そこで裏ルートを使ってみるのです
食品衛生法だけではなく関税法も含めて法的仕組みから別の視点で考えてみます。すると,食品衛生法違反の段階でほぼ確実に輸入不許可がきそうではありませんか?(実際には法律上,食品衛生違反通知があると輸入不可は確実です)
となると通知の段階で争わせてもよいという結論になるのです!このように一つの法律の中だけでなく,実際の法律の仕組みからどのような法的効果がその行為により発生するか,それは具体的直接的なものと考えられないかを見ていくのです

まとめ

今回は行政処分を見てきました。最後に行政処分の定義を覚えているか確認しましょう!

言えましたか?念のため再掲しておきます!

公権力の主体たる国または公共団体が行う行為のうち、その行為によって直接国民の権利義務を形成しまたはその範囲を確定することが法律上認められているもの
すこし難しいですが,とりあえず理論はしっかりしているのでがんばって理論を覚えて問題演習を通じて例外を押さえていくとわかりやすくなると思います!(偉そうに書いてますが自分もあまりできません笑)一緒に頑張りましょう!
読んでくださってありがとうございました。ではまた~。

参考文献

記事の目的上,とても簡潔にまとめているので,もっと深めたい方は以下の基本書を参考にしてください。わかりやすいのでおすすめです。

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